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前に進むために 今は「学校に行かない」と決めたら
前回は、「不登校と向き合って ~前に進んでいくための5段階~」と題して、私が出会った生徒の体験を綴りながら、前に進むための考え方についてお話ししました。
そこで今回は、「学校に行かない」と決めた後に、どういう進路が考えられるか、お話しします。
ただし、この中で1つだけを選ぶというのではなく、段階的に進めたり、2つの方法を組み合わせたりと、あらゆる可能性を探りながら、自分にできることから始めていくようにしましょう。
「やっぱり、この高校で卒業したい」──在籍校に残るという選択
いまは「学校に行かない」けど「この高校を卒業したい」なら、3つの選択肢があります。
A. 落ち着いたら、少しずつ登校して平常登校にもどすことを目指す
学校の親しい友人や先生方との物理的なつながりを持ちながら、体調を整えながら少しずつ登校して、平常に戻していきます。
教室に入れないときは、ICT授業や保健室などの別教室、家庭訪問によるサポートなど、学校の工夫次第で選択肢は広がります。
とくに、現在は、全日制課程の高校でも、オンライン授業を利用することが可能になっているところが増えているので、相談すると良いでしょう。
✅ メリット
- 同級生と卒業できる
- 継続的なつながりが持てる
⚠ デメリット
- 無理をして登校すると再び不調になることがある
- オンライン授業の環境が整っていない学校がある
B. 休学して再登校を目指す
休学期間は「在籍」とはならないのが普通ですが、都道府県や学校によっては卒業に必要な『在籍年数』にカウントされるケースがあります。学校か教育委員会に問い合わせて確認してもらいましょう。
✅ メリット
- 心身の回復に専念できる
- 欠席扱いにならない(在籍年数にカウントされる場合は欠席になることがある)
- 学費が抑えられる
⚠ デメリット
- 休学すると原則進級できないので、卒業時期が遅れる
- 休学の制度がない学校がある
+㌁ 学校との連携が何よりの鍵
高校に在籍していれば、休学する・しないに関係なく、さまざまな形で学校に協力を求めることができます。「学校と話すのが怖い」と感じる子も多いけれど、担任やスクールカウンセラーなどとの対話で道がひらけることもあります。学校を通じて、教育委員会や市区町村の教育相談窓口にも頼ることができます。
選べる進路は、想像以上にある
今の高校には通わず、別の進路を考えたなら、5つの選択肢があります。
1. 高卒認定試験を受ける ※筆者おすすめ
正式には、「高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)」といいます。 ※詳しくは、文部科学省の該当ページへ
私が現役教員のころ、最も勧めたのがこの方法です。
ただし、再登校の可能性を探りつつ、卒業できなかったときの保険という意味で、受験を勧めました。
最大のメリットは、高校の在籍とは無関係に、受験できるという点にあります!
つまり、休学していても、通信制でも定時制でも、高校に在籍していなくても受験できるので、自分の強い意志さえあれば、大学進学も可能になり、将来に希望がもてるのです。
✅ メリット
- 自由に学習できる
- 学費が抑えられる
- 16歳になる年度から誰でも受験できる
- 必履修科目だけを受験すれば良いので負担が軽い
- 同級生と同じタイミングで大学受験することも可能
⚠ デメリット
- 独学は難しいので、サポートが必要になる場合が多い
- 社会的な認知度が低い
2. 通信制高校への転学
最も多いのがこのケースです。
通信制高校は、学年制でなく単位制をとる場合が多いので、時間に縛られず、自分のペースで勉強できるのが魅力です。広域通信制高校にはサポート校があります。
✅ メリット
- 全日制高校の卒業単位数(90単位以上が標準)に比べて少ない単位で卒業できる(合計74単位以上)
- 自由に学習できる
- 登校日数が少ない
- 働きながらでも学べる
⚠ デメリット
- 人と接する機会が少なくなる
- 登校日数が少ないため、孤独になる場合が多い
- 自己管理できないと単位修得が難しくなる
3. 定時制高校への転学
定時制高校には、昼間制と夜間制があります。いずれも年齢層が幅広く、似た境遇の生徒も少なくありません。
✅ メリット
- 全日制高校の卒業単位数(90単位以上が標準)に比べて少ない単位で卒業できる(合計74単位以上)
- 働きながらでも学べる
⚠ デメリット
- 登校日数は全日制と変わらない
4. フリースクールやサポート校に通う
徐々にですが、近年、社会的な認知度が高くなってきているのがフリースクールです。
✅ メリット
- 年齢に関係なく、同じ境遇の子どもたちが集まる場なので、安心感がある
- 個別支援が受けられる
- 在籍する高校と連携できれば、出席に認めてもらえる可能性がある
⚠ デメリット
- 別途に費用がかかる
- 支援の内容によっては、学習は独学となる場合もある
5. 働く・社会に出る
高校に通うことそのものの意味、働くことの意味を、よく考えてほしい選択肢です。
✅ メリット
- 一足早く社会へ出ることで多くの経験を積むことができる
⚠ デメリット
- 学歴が将来の選択肢を狭めることもある
まずは「今」を優先して それから「将来」を考えて
その進路の選択が正しいかどうか、「今」はわかりません。
それがわかるのは、おそらく10年後、いや20年後かも。
「あの時、自分を責め続けなくてよかった。立ち止まっても、道は続いてたんだ。。。」
学校に行かなくても、それは失敗ではありません。
むしろ、自分を見つめ直し、新しい生き方を見つけるチャンスです。
あなたにとっての「納得のいく一歩」が見つかりますように。
この記事が、参考になればうれしいです。
では今回は、この辺で。。。



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